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[2018/11/22] 翔・センチャイジムインタビュー(2018年12月8日興行出場)

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第9試合/トリプルメインイベント2 INNOVATIONライト級タイトルマッチ 3分5R
翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/同級王者)
櫻井 健(習志野ジム/同級1位)

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

翔・センチャイジムインタビュー

——昨年12月17日、INNOVATONの「Champions Carnival 2017 Ⅲ」メインで行われた櫻井健選手とのINNOVATONライト級王座決定戦、両者血だるまになる流血戦ながら最大4ポイント差(50-46)をつける圧勝でベルトを増やし、今年は、9月8日「Join Forces-9」でもメインを張り、WPMF日本ライト級王者の長谷川健にやはりユナニマスデシジョン(判定3-0)の完勝。まさに“INNOVATONエース”といった活躍中です。

それは嬉しいんですけど、今年最後の試合でコレはねぇ(嘆息)。

——ご不満の原因は、昨年末の相手、櫻井選手を初防衛戦の相手に迎えての再戦?

持っているベルトを年に1回は防衛しなきゃならないのはわかりますし、INNOVATONライト級1位に櫻井選手がいて、それ以下に目ぼしい選手がいない(2位と3位が空位など)んだから、仕方ないのかもしれないっすけど、櫻井選手、僕に負けてから一度も勝ってない状態でしょ?

——確かに現在4連敗中。昨春、山口侑馬選手を相手に殊勲のドローを挟んで、その前も負けているので、2016年夏以降、もう2年以上も勝ち星がない状態ではあります。

はぁ……あれかな? 昨年末、コツっとヒジ当てられてこっちも出血しちゃった傷が爪痕残されたみたいになって、それが悪いっつうんですかね?

——納得し難い?

俺にとって意味がない、メリットない、旨味ない、ないない尽くし。

——それでも受けてしまう?

そこに自分の意思はないですもん。センチャイ会長が「ショータくーん、こんなオファーが来たからやるよー」で終わりです。

——拒否権はない?

はい!(苦笑) 会長は絶対なので。「オファーがあるだけありがたいでしょー」って考えですし。逆にセンチャイ(※1)もノンオー(※2)も67kgのトヨタカップ(※3)もその調子で決まりましたし。

——ライト級(61.23kg)がベストの翔選手が67kgのムエタイスーパートップが集うトーナメントにエントリーには驚きました。しかも1回戦の相手は、当時、ルンピニースタジアム認定スーパーライト級王者のチャムアトーン・ファイタームエタイ。つい最近(11月18日)、シュートボクシング最大の祭典「S-CUP」をぶっぎりで優勝し、KNOCK OUT王者の不可思選手にTKO勝利しているだけにスーパーライト級日本最強が確実視される海人選手に、今年9月、唯一の黒星をつけた怪物です。

そのチャムアトーンとの試合がトーナメントのベストバウトって声が高かったですからね! 自画自賛ですが(笑)。

——これまで数々のベルトを巻き、日本や世界の頂点に立つ選手たちと拳を合わせてきた翔選手も36歳のベテラン。昨年5月には、ご結婚もされました。それでもまだリングに立ち続けています。

肉体的に衰えがまったく感じられないし、こうやってグジグジ言いながらモチベーションも全然落ちないんですよ。嫁は「やり切って終わって」って背中を押してくれるし、ムエタイやキックボクシング愛は高まるばかり……やめる理由がないんですよね(笑)。

——「やめる理由がないから闘い続ける」というのも凄いことですが、何を目指して?

目標がないんですよ(笑)。これ以上、なんのタイトルもいらないし……あ、あった! KNOCK OUT!

——KNOCK OUTへの出場希望は、ずっと試合に勝つ度に叫び続けられていますが、やはりここは外せない?

肘あり、首相撲無制限の5回戦であれだけの舞台が出来上がって眩しいくらいに輝いてる。同時代に全盛期にある俺が出ないで終わるわけにはいはないでしょう。

——和製ムエタイファイターの頂点として名高く、試合内容も上々でKO率だって高い翔選手がまだ未登場なのが不思議なくらいです。

オファーはあったんですよ!

——試合を一切拒まないセンチャイ会長と翔選手が何故に受けなかったのでしょう?

試合1週間前にヨードレックペット(※4)戦ですから!

——それは無理もありません。

いくらなんでも良いパフォーマンスが出せないことが分かっているのにやっていい相手ではありません。今でも「受けなくてよかった」と後悔もないです。それは会長だって理解してくれています。

——そんな翔選手、60戦ものキャリアで現在までのベストバウトは?

水落洋祐戦(2013年4月29日、判定勝ち)とJ-NETWORKでやったハチマキ戦(2014年5月6日、2ラウンドKO勝ち)っすね。

——理由は?

水落戦は、とにかく気持ちが入って闘えました。ハチマキ戦は、つい最近(2018年8月3日)の再戦で同じく2ラウンドKOできましたけど、初戦は、1ラウンドに自分から下がって打たせておいて誘い込んで倒すって作戦が仕込んだ手品みたいにハマったので。

——そんな翔選手が次戦、どんな試合をされるのでしょう?

圧倒的な差を見せつけてのKO。それしかない!

——どんな技で?

得意技というか俺のアイデンティティー、首相撲からのヒジ、ヒザで!

——ただならぬ入れ込みがある技に見受けられます

ムエタイの奥義ともいえるこのスキルを使いこなして本当に倒しきる日本人選手って、いないっすよね。俺こそはできる。それを魅せたい!

——相当の覚悟を持って臨むであろう櫻井選手の警戒すべき点や印象は?

なし!

——意識すべきは、自分との闘いのみ?

「翔をKNOCK OUTで見たい」ってファンにも関係者にも思わせる「戦慄KO」って作品を創ります!

——そして、来年こそKNOCK OUTへ?

“Mr.KNOCK OUT”森井洋介選手だって、密かに最強説が囁かれている“神撃キッカー”重森陽太選手だって、本当に倒せる“殺しの首相撲”を経験したことないでしょう。倒しますよ! 日本人でただ一人、俺だけができる。日本人のトップ連中を振り回して、ヒザでえぐって、ヒジで斬り倒します! 同じINNOVATONの山口兄弟(KNOCK OUTにレギュラー参戦する山口裕人と山口侑馬)なんていいじゃないっすか? 今回の試合を観戦する皆に背筋が凍るようなKOを見せつけて異彩を爆発させますよ!

※1 センチャイ “ムエタイの神”センチャイ・P・K・センチャイムエタイジムは、2000年代初頭から約15年以上もその位置を堅固する奇跡のような存在。マイケル・ジョーダンやモハメド・アリに比肩しても遜色ない価値があると断言してよい。今もまだ現役の生ける伝説。

※2 ノンオー 2005年にMVP(最優秀選手)に選出されたノンオー・ガイヤーンハーダーウジムは、長らくムエタイの頂点に立ち続けセンチャイに並ぶ現代の“ムエタイの神”といえる域に入っている。30歳を超えた今でもアジア最大の格闘技プロモーション「ONE」で活躍している。

※3 トヨタカップ 正式名称は「TOYOTA Hilux Revo Superchamp in Japan」、通称「ムエマラソン」。世界に誇るトヨタ自動車の在タイ会社、Toyota Motor Thailandがメインスポンサーとなって毎年開催される過酷なワンデイの賞金トーナメント。2016年7月29日、初の日本開催となったディファ有明興行で、翔・センチャイジムの他に喜入衆、平野将志、為房厚志の王者たちがタイの一流選手たちと4対4で激突したが、日本選手全員が初戦敗退。ヨードムエ(最高の選手)と誉れ高いペットモラコット・ウォーサンプラパイが準決勝戦でチャムアトーンを破り優勝した。

※4 ヨードレックペット 森井洋介を恐るべきヒジ打ち一戦でTKOに下し、KNOCK OUTで“世界最高峰王者”と呼ばれる超強豪。2018年3月6日、ムエタイ界で最も権威のあるアワード、サイアムスポーツ社認定ムエタイ部門でMVPを受賞。二大殿堂、ルンピニーとラジャダムナンの両スタジアム認定王者というスーパーチャンプを更に飾り立てる最高栄誉を得たヨードレックペットは、2018年春現在、ムエタイ最高選手であることは間違いない。

翔・センチャイジムのプロフィール

リングネーム:翔・センチャイジム
フリガナ:ショウタ・センチャイジム
所属:センチャイムエタイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1982年10月24日(36歳)
出身地;山形県
身長:174cm
戦型:オーソドックス
戦績:60戦34勝(17KO)23敗3分
ステータス:INNOVATIONライト級王者、蹴拳ムエタイライト級王者、初代WMC日本ライト級王者、初代MuayThaiOpenライト級王者、元NJKFライト級王者、元全日本ライト級7位
Facebook:https://www.facebook.com/xiangtai.zuoteng1

興行情報はコチラ:https://kick-innovation.com/event_detail.php?id=101