第7試合 スーパーファイト 51kg契約 3分5回戦
花岡 竜(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級王者)
Rising力(ライジング己道会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級3位、西日本フライ級王者)
花岡竜インタビュー
取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部
——今年8月23日、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下略:INNOVATION)主催興行「Join Forces-16」のメインイベント、INNOVATIONフライ級王座認定試合でムエタイ経験豊富な押川大也選手をフルマーク採点(5回戦でダウンなく判定50-45勝利)されるほどの圧勝で、若干16歳(当時)、高校2年生のプロ初戴冠の快挙を成しましたが、本来の予定では、今回の対戦相手、Rising力選手との決定戦でした。
とても楽しみにしていた試合だったので3週間前にキャンセルとなった時は残念でなりませんでしたが、ここで実現できて良かったです。
——楽しみな点は?
僕は、前試合(2020年10月29日、HIROYUKI戦)、判定ドローでしたけど、力選手は7戦7勝の完全無敗。8月の試合前は、僕が4戦4勝でしたから“無敗対決”を制してベルトを巻きたかったなという気持ちはあります。
——ご謙遜されますが、花岡選手も引分は挟めど現在無敗(6戦6勝1分)です。
いやあ、かろうじて負けなかったってだけで。
——稀にみる高度なテクニック合戦となったHIROYUKI戦を振り返ってください。
やはり「上には上がいるな」と。ベテランならではの巧さを勉強させていただきました。
——花岡選手寄りの視点で見ると、通常体重が55kg以下でフライ級(50.8kg)どころかライトフライ級(48.98kg)あたりが適正ではないかと思われますし、そこで日本バンタム級王者(新日本キックボクシング協会)でフライ級と併せて二階級制覇王者のHIROYUKI戦は、スーパーフライ級(52.16kg)契約だったとはいえ、リング上、かなりの体格差が見て取れました。強すぎてフライ級で相手が見つからない花岡選手ならではの苦悩もあるのでは?
試合を受けたからには、そんなこと何の言い訳にもなりません。HIROYUKI選手との試合は、とても学ぶところが多く収穫になったし、判定は採点具合にも助けられたと思っています。
——ジャッジ集計は1-1(30-29、28-29、29-29/28-29は花岡支持)と三者三様でした。
僅差の判定だけにジャッジの見解が分かれるところですが、僕につけてくれた場合、ムエタイ的な採点をしてくれたなと。パンチで攻勢を取られたのは僕なので、ファイター有利の日本的な判定だと向こうにつくでしょう。結果、ドローに納得はしていますし、ラッキーでもあったと思っています。
——「タイでムエタイなら青コーナー、日本でキックボクシングなら赤コーナー」といった判定の割れ方はままあることです。
けど、これからはそんな微妙な試合はしません。誰が見ても明確な勝ちを!
——それは、次戦の圧勝宣言?
判定で完勝は最低限です。狙うは、衝撃的な一発ノックアウト勝ちです!
——頼もしいながら、典型的なテクニシャン、花岡選手のこれまでの試合では見られなかった勝ち方です。
だからこそ、狙います!
——相手は、ハードパンチャーで最軽量級としては相当の高KO率(7戦7勝3KO)を誇り、強豪、タネ♡ヨシホ選手を1ラウンドKOして西日本王者となった力選手でありながら?
はい!(満面の笑み)
——お言葉ですが、それを狙うのであれば「秘策があるのでお楽しみに」程度にしておくのが普通で、相手サイドも当然読むインタビューで言っていいことではないのではないでしょうか?
それでもKOします!(キッパリ)
——しかも一発で?
リキ選手がどう警戒しようと避けられない忘れた頃に飛び出す衝撃的なヤツです!(ニコニコ)
——俄然、試合が楽しみになってきました。改めて、力選手の分析を教えてください。
アグレッシブで前進が止まないパンチャー。右ストレートには、相当の威力を感じます。正直、恐いパンチです。
——されど衝撃的一発KO?
はい!(キラキラ)
——しつこくてすみませんでした。もし、無敗の強敵相手にその予告が叶ったのなら、更に注目度が上がることでしょう。すると、痛し痒し、ただでもフライ級で相手が見つからない苦悩が深まりそうです。
いえいえ、世界は広いですし、ムエタイが相手となると無限の深さがあると思いますので。
——また、相手に困るということでは、体重差のある試合もそうですが、肘打ちなし、首相撲禁止、もしくは制限ありの、例えばRISEなどの選択は?
肘打ちあり、首相撲無制限、3分5回戦、フライ級の純キックボクシングルールこそ僕のホームですが、師範が決めた試合は、どんなルールでも、ラウンド数でも、体重でもやります!
——師弟の強い信頼関係が伺えます。
師範が受けた試合は、いただいた課題をやり切れば必ず勝てるというご判断があってのことなので安心して練習しまくるだけです!
——圧倒的なアマ入賞歴から“平成最後の怪物”と喧伝される花岡選手ですが、平安時代でも戦国時代、明治時代、昭和であってもオールタイムグッドボーイな良い子っぷりが出来過ぎです。
ふふふっ!(満面の笑み)
——そんな花岡選手は、高校生活半ば、将来、キックボクシング以外に何か志望は?
消防士になりたいです!
——それはピッタリの気がします。
だからこそ、高校卒業(2022年3月)までに確たる結果を出して、消防士になれたら、最初の数年はキックはお休みをいただくかもしれませんが、折を見て再開できれば最高だなと。確か現役消防士のままリングに上がっていた方もいたと聞いています。
——90年代のいぶし銀チャンピオン、井上哲さんや今は退職されている小西拓槙選手など複数おられます。
キックボクサーの青春はボウボウに燃え上がらせて、沢山の人に試合を楽しんでいただいた上で、仕事では火事を消して、ガンガン人命救助に努めたいです! その為にも力選手、倒します!(ニコニコニコ!)
花岡竜のプロフィール
リングネーム:花岡 竜
フリガナ:ハナオカ・リュウ
所属:橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2003年11月30日(17歳)
出身地;東京都八王子市
身長:160cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2019年5月19日
戦績:6戦5勝(2KO)1分
ステータス:INNOVATIONフライ級王者、アマチュア28冠王