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2020/12/21(月)橋本悟インタビュー(12月27日興行「CHAMPIONS CARNIVAL 2020」)

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第6試合 スーパーファイト 64kg契約 3分3回戦
橋本 悟(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーライト級王者、MuayThaiOpenスーパーライト級王者)
小磯 哲史(テッサイジム/J-NETWORKライト級王者、蹴拳スーパーフェザー級王者)

橋本悟インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——ハズレなしの激闘を連発する“大魔神”がホームであるJAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下略:INNOVATION)のリングに連続登場です。

前回(2020年8月23日、NJKFスーパーライト級王者、畠山隼人戦)がKO負けだから胸は張れませんが、意気込みは高いですよ!

——対するは、キックボクシングへの情念は無限大、TESSAI GYM会長でもある47歳の二冠王、小磯哲史選手です。

年齢や実績からしても「普通にやれば勝てる」と思われて当然の試合かもしれませんが、それで畠山選手にもやられたんで油断はないっす。

——畠山選手は、橋本戦の次、10月25日、新日本キックボクシング協会の後楽園ホール興行に乗り込み、メインイベントで看板チャンピオン、勝次(WKBA世界スーパーライト級王者)戦でダウンを奪取して勝利。金星ゲット連発で今やトップファイターとなりました。その大きなきっかけとなったのが橋本戦だったと思います。

初回は珍しく落ち着いて様子を見て、2ラウンド、ばーっといったら押せたんで「イケる」って感触を掴んだところ、その回終了のゴングと同時にいーパンチ喰らってバッタリってやられちゃってね……これで3連敗です。

——名勝負製造機としてオファーは引きも切らない橋本選手ですが、過去に相手は強豪ばかりだとはいえ5連敗(※1)の苦境があり、そこから甦っての今があります。

だからって連敗に慣れるもんじゃないっすよ。

——それは失礼しました。では、次の試合、確実に勝ちいく?

ガード固めて(得意の)ローキック蹴って手堅く勝利……ぶはははっ、できねーっ!

——「やらない」ではなく「できない」ですか?

それができれば俺が俺じゃなくなっちゃうし、とっくに辞めてるんじゃないっすか(笑)。

——過去に「つまらない試合で判定負けをするぐらいなら、バチバチに打ち合って勝っても負けてもKO、がいい(※2)」と言われたこともありました。

それは絶対に変わらない。けど、4連敗もできないっす。

——その為にどんな戦略を?

パンチを最初から飛ばすことなく、ロー蹴って、ミドルキックも交えて、ローが効いたらパンチで仕留めにいくと。あー、ガードの上からブチ壊すようなハイキックでもいいな。小磯選手の攻撃で気をつけなきゃなのは、インロー(キック)こつこつとカウンターパンチかな。

——いくら試合直前インタビューとはいえ、相手だって読むでしょうにそこまで言ってしまって大丈夫でしょうか?

ぐははっ、問題ないっす。そんなの向こうだって百も承知だろうし、打ち合い我慢して手堅くなんてできないっつてんじゃないっすかー(笑)。

——そんな豪放磊落さが試合内容と相まって魅力的な橋本選手ですが、名門・橋本道場の選手会長的頼れる兄貴感、さもありなんです。

うちに選手会長とか正式なポストなんかないっすけどねー。道場に入門したのは、(子供時代が長かった)ハルト(安本晴翔)やユウヤ(岩浪悠弥)が先だし、ケイスケ君(宮元啓介)のちょと後なんですよね。けど、俺だけ30代、最年長、そりゃあ勝手に選手会長にもさせられちゃうますよね。師範(橋本敏彦会長)が厳しいし、一見分からないかもですけど、人間的にメチャメチャな連中ばっかりの中で数少ない常識人ですし(笑)。

——自認する常識人?

そして落ちこぼれ。

——ベストバウト請負人が“落ちこぼれ”とは?

橋本道場をプロだけじゃなく子供のアマチュアからよく見てくださいよ。身内贔屓じゃない。尋常じゃない強さです。名門だから才能凄いのが集まってくるとかじゃない。強くなってしまう師範の指導が核としてあって、それに応えれば確実に結果が出せるんです。俺の23歳で入門はうちでは異例に遅いですけど、そこは関係なく、やらなければならないことができていない。それは、さっき話した戦略的にガードを固めて冷静に戦うことでもあり、KO命みたいに言うと男らしくってカッコよく思ってくれる人もいるかもですけど、それしかできないからそうするしかない。うん、落ちこぼれっす。

——橋本選手は、そこがだからこその魅力だと断言できます。それに自虐的でもありますが、ついでご自身のブログタイトルも「橋本悟のパンチドランカー一直線日記」です。どこか確信犯的でもあります。

はははっ、昨年早々から更新していませんけどね。そうそう。パンチドランカーに関しては、駿太さん(※3)とYouTubeでコラボさせていただいて色々楽しく語らせていただいています!

——試合の意気込み以上に「YouTube」の語彙に力が入っていました。

まだ登録者400名ちょいですし、再生回数も最高で2200回くらいで収益化もできていませんけど、ちょっとここには入れ込んでるんですよねー。

——今を時めくYouTuberの頂点、格闘家・朝倉未来のようになりたい?

いや、その路線じゃないっす。目指すは駿太さん。

——収入を得るなり知名度が欲しいだけではない?

そりゃ、あるにこしたことはないっすけど、それが目的ではないっす。けど、一度くらいバズってみたいし、アンチも歓迎です(笑)。

——そんな野心もありつつ、今後の橋本選手は何を目指しどこへ行く?

今更「目指せ世界一」でも「負けたら引退」でもないんですよ。激闘を褒められるのは結構だけど、身体を決定的に壊してまで続ける気もない。だけれど、負けてやめたくないし、ベルトの1本や2本、まだかっ攫ってやりたい。ここまで沢山の人に応援していただいていますし、そんな恩人たちには「次でやめます」とちゃんと伝えて、その試合で勝って完全燃焼が夢ではあります。その上で「橋本悟の試合は面白い」って皆が楽しんでくれることこそが大切だなって。

——含蓄ある言葉です。

小磯選手とは「これぞ人生劇場」って殴り合いができると思うんです。んで、自分らしくバカーンと倒してリング上の勝利者マイクで叫んでやりますよ。「YouTubeチャンネルのご登録、よろしくお願いします!」って(笑)。

※1 5連敗 黒田アキヒロ、宮越慶二郎、“DYNAMITE” 髙橋佑太、雷電HIROAKI、山口侑馬といった錚々たる面子ではある。その時の心境など以下のインタビュー記事に詳しく語っている。http://okayamakickboxing.blog.jp/archives/20974044.html

※2 勝っても負けても、KOがいい 参照:http://rebels.jp/detail.php?category=INTERVIEW&id=interview_20180211-01

※3 駿太さん 実績と思慮の深さと人徳で、一部、業界のリーダー的な慕われ方をしている駿太は、コツコツとYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC45Pz1FEXqHpE8i_9Ooa93g)を運営し、確たるファンを獲得している。

橋本悟のプロフィール

リングネーム:橋本 悟
フリガナ:ハシモト・サトル
所属:橋本道場/Japan Kickboxing Innovation
生年月日:1986年3月18日(34歳)
出身地;東京都西多摩郡日の出町
身長:172cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2010年3月27日
戦績:41戦20勝(10KO)18敗3分
ステータス:MuayThaiOpenスーパーライト級王者、元INNOVATIONライト級王者
Facebook:https://www.facebook.com/satoru.hashimoto.549
所属ジム公式サイト:https://www.hashimoto-dojo.com/