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2024/09/16(月)切詰大貴インタビュー(2024年9月22日「RESISTANCE-17」)

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2024年9月22日「RESISTANCE-17」に出場する切詰大貴のスペシャルインタビューを公開させていただきます。

――今回のJAPAN KICKBOXING INNOVATION連盟主催興行にあたり無敗のランカー、切詰大貴選手がメインということで特集インタビューをさせていただきます。現役医大生、つまりは将来のドクターということで特異なキャラクターがあられます。医師でプロキックボクサーというと古くは“ドクター・キック”青葉繁(※1)、または、現役のMASATO BRAVELY(※2)といった先人がおられますが、彼らに続く医師キックボクサーということになりますでしょうか。

今、香川大学医学部の5年生でポリクリ(病院実習/ドイツ語:Poliklinik)中ですので、医師国家試験はこれから。ですので“闘う医学生”でお願いします。

――“闘ふ”……INNOVATION的に懐かしい響きのキャッチコピーです。

師匠が“闘ふ神主” 櫻木崇浩(※3)ですのであやかって(笑)。

――朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.(※4)」の特集で尋常ない努力を拝見しました。その内容と多少重複しますが、ここまでに至る概略をお聞かせください。ご出身は四国?

はい、高知県高知市で生まれ育ちました。

――どのような幼少期を?

一人っ子で気が弱く、だからなのかな、4才から空手を習いました。

――その空手で複数の全国優勝までされていると。

フルコンタクト空手で高校までに白蓮会館系など5回優勝しました。

――格闘家として相当な経歴です。

小中高、部活もせずに空手一色でしたね(笑)。

――それが医道を目指すとは急展開です。

アメリカで医師している叔父さんがいて、小さな頃から憧れていて、それで。

――にせよ、医学部受験は大仕事です。

生半可では通じないので空手は封印せざるを得ませんでした。

――それがキックボクシングに転向されるのは?

空手をやるだけじゃなく見るのも大好きで、K-1とかマニアレベルで夢中になっていただけにずっとキックをやりたくて。

――特に好きな選手や感動した試合は?

武尊選手ですね。レオナ・ペタス選手との名勝負には痺れました。

――大学が香川なだけに武勇会館建速支部に入門されたと。

ホームページを見つけてジムに問い合わせてみたはいいけど、最初「うちは小学生しかやっていない」とつれなくて、それでも強引にお願いして押しかけて、いきなり櫻木会長とスパーリングしていただきまして。

――相当の空手キャリアがあるわけですが?

対格差(切詰の身長180cm、櫻木164cm)も構わずボッコボコにされました(笑)。けど、それで認めていただいたのか、しっかりとマンツーマンでご指導いただきプロデビューからここまで至ることができています。建速ジムの他、週2回、武勇会館高松支部で紀州のマルちゃん(INNOVATIONライト級王者)さんとガチスパーしまくったりもしつつ。

――先日、7月28日、大阪のNKB(日本キックボクシング連盟)認定興行で見事1ラウンドKOでプロデビュー以来の連勝記録を伸ばしましたが得意技は?

この前のがテンカオ(膝蹴り)で、デビュー戦のKOが右ストレート。その二つが主武器です。

――今回の板谷航平戦もKO狙い?

狙うは圧勝です。メインイベントに起用していただいたのでインパクトあるKOで!

――それが成ればその先の展開が楽しみです。

まずは、INNOVATIONスーパーライト級王座(現在空位)を奪取して、INNOVATIONの看板背負ってNKB、NJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)など他団体王者狩りに打って出て総なめします。

――それらのキック団体は、肘打ちあり、首相撲無制限の元祖キックボクシングルールを採択していますが、RISEやK-1といった肘なし系のビッグプロモーションは?

各キック団体無双を達成したら、当然、そこを狙います。ルールの違いは問題ないです。その前にどうしても上がりたいリングもありますし……。

――それは?

来年3月30日、オープンしたての香川県立アリーナで開催される「RIZIN.50」に是非とも出場させていただきたいなと!

――確かにRIZINは、MMAベースながら特に地方興行ではキックボクシングも盛んにおこなわれています。それにしても50回記念興行で観客収容数1万名以上ですから大変なことです。

その為にもそれまでに緑のベルト(INNOVATIONタイトル)を巻くことができれば!

――現在、RIZINで大暴れの芦澤竜誠は、元INNOVATIONフェザー級王者ですが、大部のところ毛色が違う切詰選手も特色の強さでは負けていません。

今回のメインは、本当に良い機会なので、僕の応援団が勝って喜ぶは当然ですが、自分のことを初見の皆さんが理屈抜きで楽しめる、そういった試合をして衝撃を残すことが命題です。

――医学生としての日々も大変に違いない中、熱く強い意気込みです。

“闘う”こと“学ぶ”ことは、一見、真逆なほど違うことに思えるかもしれませんが、それを修めるに必要な集中力、精神力、断固たる決意は、ベクトルを同じく通じるものだと、僕のこれまでの経験で分かっています。よく「大変だね」と言われますが、両立することで得られるパワーはとても大きくて、それが自分の強みだと思っています。

――25歳ながら含蓄ある言葉です。

空手からもどんな逆境でも競り負けない“粘り”を得たことで今があります。自分に在る力を相乗させれば不可能はないと信じます。

――9月22日の板谷戦ののみならず、切詰選手の今後が楽しみです。

次の板谷選手もこれまでの相手もこれからのライバルも、皆、家庭や仕事、練習の苦しみや怪我の恐れ、プレッシャーだなんだ、ありとあらゆるリスクを抱いて、リングでそれをぶつけ合うわけじゃないですか。最高のスリルとドラマ、それをキックボクシングで表現して魅せます!

※1 青葉繁 1971年生まれの元キックボクサー、元NJKFウェルター級王者、現役医師。90年代末、新田明臣との2度にわたる死闘は語り草。著作「ドクター・キック:~今ある命は宝物~」がある。

※2 MASATO BRAVELY 1993年生まれの現役キックボクサー、元WPMF日本ウェルター級王
者、元M-1日本スーパーウェルター級王者。救急専攻医、岡田将人としての激務の中、2024年10月12日にも試合が予定されている。

※3 “闘ふ神主”櫻木崇浩 1986年生まれ、武勇会館建速支部長、パーソナル トレーニングジム「繋」代表、元INNOVATIONフェザー級王者。廣田八幡神社で神主を務めながらチャンピオンとなった。“闘ふ神主”は自ら打ち出しリングネームに入れ込んだキャッチコピー。

※4 AERA dot. 切詰特集記事(https://dot.asahi.com/articles/-/2149?page=1

切詰大貴のプロフィール

リングネーム:切詰 大貴
フリガナ:きりづめ だいき
所属:武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1999年1月5日(25歳)
出身地:高知県高知市
身長:180cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2022年12月4日
戦績:5戦5勝(2KO)
ステータス:INNOVATIONスーパーライト級8位