第9試合 メインイベント INNOVATIONスーパーライト級(63.5kg)王座決定戦 3分5回戦(延長1R)
マサ佐藤(まささとう/ウィラサクレック・フェアテックスジム/INNOVATIONスーパーライト級1位、RISEスーパーライト級5位、英雄伝説64kg級アジア王者、西日本統一ライト級王者、蹴拳ムエタイライト級王者、元DBSライト級王者、元RKAライト級王者)
切詰 大貴(きりづめ だいき/武勇会/INNOVATIONスーパーライト級2位)
——2021年12月5日、JAPAN KICKBOXING INNOVATION、品川インターシティーホール興行のメインイベントでINNOVATIONスーパーライト級王者(当時)、橋本悟と5回戦をフルラウンド大激闘の上、見事に勝利して以来のINNOVATION再登場は、まさかのタイトルマッチで無敗のホープ“闘う医学生”切詰大貴とのメインとなりました。
久しぶりのINNOVATIONさんでメインイベント、それもタイトルマッチで光栄です。
——この試合の為に在日ムエタイジムの名門、ウィラサクレック・フェアテックスジムが同団体に加盟するというサプライズでもあります。
ウィラサクレック会長とマネージャのミサさん(ウィラサクレック夫人の小久保美佐)には、本当によくしていただいて感謝です。
——それにしてもINNOVATIONを代表する名王者、橋本の引退試合となった一戦は、ちょうど3年前ながら色褪せない名勝負(※1)でした。
激闘派の橋本選手が引退をかけた試合ですから、熱い試合になることは間違いないし、同じく激闘派の俺と嚙み合うことはわかっていたので(笑)。期待していただいた通りの内容になってよかったです。
——プロデビュー時は、沖縄県名護市在住で“やんばる将軍”の異名知られた佐藤選手が、東京に戻ってウィラサクレック・フェアテックスジムに移籍されてから3年以上経ちました。
もう年齢が年齢(37歳)なんで、後悔なく完全燃焼する為に練習環境を変えて、色々な経験と学びを得て、今もまだ成長中と思っています。年齢的には引退を考える頃合いでしょうけど、それが止まらないんで、行ける上まで昇りつめてやろうって。
——ウィラサクレック・フェアテックスジムでの練習は、充実されていますか?
移籍当初は、ずっとゴンナパー・ウィラサクレック(元K-1王者)とかが相手ですからね。同じ階級の杉本卓也(元J-NETWORKスーパーライト級王者)は、今年引退しましたけど、力也とか対人練習もしっかりできて満足です。
——そんな中、癌を発病されて、それを乗り越えての現在とお聞きしております。
正確には精巣腫瘍ですね。睾丸をひとつ摘出する手術をしました。
——大変なことだと察します。
肺とかに転移しやすいらしくて、抗癌剤も効きにくい部位で危ないところでした。ある日、金玉がSサイズの卵ぐらいに腫れ上がって、病院に行ったらまさかそんなことになっていようとは(笑)。
——語り口が軽やかですが。
転移していたら転移していたで覚悟を決めるしかないし、結果、大丈夫だったわけだし、悲観しても仕方ないじゃないですか(笑)。術後から経過観察を5年間しなくちゃで、あと2年、これまでは2か月に1度、CTスキャンやら血液検査やらしていました。今は、半年に1度になっています。お医者さん的には、100パーセント癌細胞を殲滅するのに抗癌剤治療することを勧められましたけど、キックボクシングをやめる気も練習を休む気もなかったんで、その選択はないなと。で、こうやって元気にタイトルマッチができるんですからマイペンライ(タイ語:問題なし)です(笑)。
——前試合は、2024年2月21日、yusei(グレイシーバッハ姫路)に1ラウンドTKO勝ちで、そこから10か月、相手は、INNOVATIONのゴールデンボーイ、無敗の切詰です。
綺麗な戦い方をする良い選手ですね。
——かなりの強敵では?
どーなんですかねー?(笑)。
——その余裕もこれまでのキャリアの深さからすれば、さもありなんです。これまで印象に残る試合といえば?
旧KNOCK OUTの水落洋祐戦(2018年8月19日/4ラウンドTKO勝ち)とか、とんでもないスケールで連続遠征した中国の英雄伝説(チャンピオントーナメント)も印象深いですね。
——肘打ちあり、首相撲無制限、5回戦が得意の印象が強い佐藤選手ですが、肘なし3回戦のRISE参戦など参戦舞台もルールも多岐にわたっています。
よりメジャーなリングを目指したいし、呼んでいただけるならルールはなんだって構いません。俺の闘い方は変わりませんから。
——キックボクシングであれば、何でもあり?
ですねー。あっ、最近、RISEのYA-MAN選手が看板になってFIGHT CLUBってオープンフィンガーグローブのシリーズをやってるじゃないですか。あれなんか是非ものです! 俺、同じ階級ですし。RISEスーパーライト級ランカー同士(YA-MANが3位、佐藤が5位)いいんじゃないですか?
——恐るべきタフネスで“不沈艦”とも“アンデッド将軍”とも称される佐藤選手のOFG戦は興味津々です。
ま、それもこれもまずは切詰選手を倒してINNOVATION王者になってからの話です。
——先日、RISEフェザー級王者になった安本晴翔や芦澤竜聖、鈴木真彦、花岡竜など錚々たる強豪がINNOVATION王者のベルトを巻いてきただけに、すでに5冠王の佐藤選手もこれに並ぶことになるかも。
ONEで大暴れしてみたいですしね。あそこは若い選手の起用が主なんで、そこを押しての実績としてもこのベルトはいただきます。
——功成り名遂げたベテランでありながら野心満々です。
俺、スロースターターじゃないですか。
——第1、2ラウンド、恐るべきタフネスで相手の攻撃を受け続けて、3ラウンドからエンジンがかかり、けど、最近のRISEやK-1などの3回戦傾向では、巻き返し遅く、逆転の雰囲気の中、判定負けしてしまうケースが多々と見受けます。それだけに今回の5回戦は、佐藤選手のフェイバリットではないかとも。
今回のタイトルマッチ、5回戦だからこその自信もあるし、俺の人生まさにここから上がっていく。精巣腫瘍だろうが乗り越えてきたんだから、どんなピンチからも逆転勝ちしてみせますよ。あの緑色のベルトをいただいて、気持ち良い年末年始が迎えられるんで、今から楽しみです(笑)。
マサ佐藤のプロフィール
リングネーム:マサ佐藤
フリガナ:マサ・サトウ
所属:ウィラサクレック・フェアテックスジム
生年月日:1987年8月21日(37歳)
出身地;東京都墨田区
身長:173cm
戦型:オーソドックス
戦績:51戦27勝(14KO)20敗4分
ステータス:英雄伝説64kg級アジア王者、蹴拳ムエタイライト級王者、元DBSライト級王者、元西日本統一ライト級王者、元RKAライト級王者